エントリーシート(以下、ES)の提出がピークを迎えています。ここのところ、毎日のように
何枚、何十枚ものESの添削指導をしていますが、今年もいろいろな業界・業種の設問を
目にして、「これはなかなか書き応えがある」と感心する内容もあれば、「意図は何!?」と
思わず疑ってしまうものもあります。
ところで、ジョブエールの添削指導のポイントは次の3つが挙げられます。
1. 文章だけ見て添削しない。
2. 一部分だけを添削しない。
3. 一つの設問だけを添削しない。
それぞれについて、説明していきます。
まず1.。学校の就職相談員やキャリアカウンセラーは、「ESを添削します」と受け付けて
いますが、書かれた内容を前にして、ちゃんと本人から話を聞いているか、しっかり時間
を取って質問しているか疑問です。
文章だけ見て、添削されているようなら、言語道断。なぜなら、その学生の本当の良さが
行間に埋もれている(=書かれていない)場合があるからです。
したがって、私はいきなりESは書かせません。
設問を前にして、いろいろ質問したり、あれこれヒアリングしたりします。そうしていくと、
この学生の本来の良さや本質的な思いや考えに辿り着くことができます。
次に2.について。接続詞や語句の使い方が誤っていれば、一部分の訂正だけで指導が
終わっても納得できますが、それでは却って、文脈が乱れ、文意が伝わらなくなる恐れ
があります。
そのため、私なりに全文を作成します。つまり、模範(「パクりなさい」という意味ではあり
ませんから)となる文章を作ります。それと自分で書いた”元の文章”を見比べて、違いを
理解してもらいます。
最終的には自分で納得したESを書き上げて、提出してもらいますが、文書力を磨くには、
他人が書いた文章(例えば「天声人語」や「社説」)を読んで、良い表現や言い回しを取り
入れるのが近道。
ですから、こうした手間を惜しみません。
最後に3.を説明します。これは全体の整合性をチェックするという意味です。つまり、ES
全体を読み込み、「この学生はどんな人か」きちんとイメージできるか検証します。
例えば、ある設問では、行動力のある点を書いて、ある設問では、慎重に物事に取り組む
ところを述べているようでは、つじつまが合いません。
これは、極端な例ですが、多く見受けられるのが、どこを読んでも、判で押したような特徴
しか示されていないES。
このように特徴を伝えるバリエーション(私はこれを“引き出し”と言っています)が少ない
ESでは、読み手(=採用担当者)に「会ってみたい!!」という気持ちを抱かせられません。
したがって、ES全体を見渡して、性格や人柄、行動特性や志向性が漏れていないか
確認することが大切になるのです。
就活生の皆さん ここまでちゃんと指導を受けていますか?