首都圏大学訪問レポートの最終回(その3.)です。
≪大企業への応募人気が増加!!≫
長くて厳しい新卒採用不況も脱出して、学生の間に再び、大企業への応募が増えていると
聞きました。事実、某新聞社の就職人気企業ランキングでは、メガバンクや商社が軒並み
上位を独占しています。
一時期、Be to Beの企業や上場していなくても、将来性の見込める中堅・ベンチャー企業や
地元の老舗企業などに応募する動きがありましたが、やはり、学生の安定・ブランド志向は
根強く残っているようです。
学生の大学就職課のコメントです。
「多くの企業から説明会、ガイダンスに参加したい申し込みがあり、断るのに苦労した」
「これまでなかった企業からの求人が届いた」
「中小企業から(取り敢えず)内定をもらって、大企業の就活を継続している学生が目立つ」
ここで、新卒(特に大学生)の採用環境が改善されたことをデータを使って説明します。
先日、文部科学省学校基本調査で、2015年3月に卒業した大学生の進路状況が発表され
ました。特に就職率は72.6%と1994年以来21年ぶりに70%台に回復しました。
以下、細かな数値を記します。
①大学(学部)卒業生 564,025人
②①のうち就職者 409,754人(72.6%) 前年比+2.8ポイント
③①のうち正社員として就職した者 388,606人(68.9%) +3.0ポイント
④非正規社員(契約社員や派遣社員など)として就職した者 21,148人
⑤一時的な雇用(パートタイマーやアルバイトなど)に就いた者 11,730人
⑥進学も就職もしなかった者 58,093人
正社員として就業せず、不安定な状態で卒業した
大学生は、90,971人(④+⑤+⑥)となり、
これも過去10年間で、最も少ない数値でした。
就職環境が改善されるのは良いことですが、学生の就職意識が元に戻る(大手志向)のは残念です。