面談スタイルの面接が流行っています

就活解禁から約1ヶ月。そろそろエントリーシートを提出しなければならない企業に加えて、
面接に臨まなければならない会社も出始めています。

昨年から、面接に「面談スタイル」を取り入れる会社が増えています。
既に多くの就活生から、「『面接でなく、面談ですので』という断り文句で応募先から連絡が
ありました」という報告があるように、本年度もその傾向は続くことが予測されます。

では、どうして、企業は「面談スタイル」を導入するようになったのか?
理由は2つ考えられます。

1つは、6月1日まで(表向き)採用選考をしてはいけないスケジュールのせいで、大っぴらに
「面接」とは言えなくなったため。
もう1つは、「面談スタイル」の方が学生の”素”をきちんと観察、評価できるため。

特に後者についてお話しします。結論から言えば、私はこの傾向を歓迎しています。

そもそも、「面談」とは、応募者と企業の相性を確認する場
したがって、「面接」との最も大きな違いは、面接官主導で行う(質問するのは面接官、回答
するのは応募者)のではなく、学生が自発的に質問や会話を進められるところにあります。

つまり、「面談」では、面接官と応募者が自然な会話ができる点が特徴なのです。
そのため、企業側も「ざっくばらんに話し合いをしましょう」として、学生に堅苦しくない質問を
してきます。そして、率直なやり取りを通じて、学生のことを深く理解しようとします。

しかし、就活生はこの「面談」が大の苦手。
なぜなら、「志望動機は?」「自己PRは?」と面接で想定される質問については、さんざん練習
しているものの、「面談」は何を聞かれるか想像がつかないため、練習していない、練習でき
ないからです。

そもそも「面談」は練習するものでなく、日常生活の中で身に付けるもの。
普段から、親や学校の先生、強いて言えば、アルバイト先の大人以外の”大人”と話す経験
がほとんどない学生にとって、初対面の人との会話に躊躇したり、戸惑ったりしてしまうのは
当たり前。

そうです。「面談」は「雑談力」が試される選考なのです。
どうすれば相手のことを理解できるか、お互いが分かり合えるかが問われます。
「面談スタイル」での面接は、その意識と経験の「差」がはっきりと表れるのです。

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大人の役割

私は仕事の関係で月に1~2回、東京に出かけます。
先週、不動産業界を志望する2人(男女)の就活生を連れて、上京しました。某不動産会社
に勤務する2人の知り合いの方が面談してくれるからです。

不動産業界というと、「ディベロッパー(土地の開発)をやりたい」と答える学生がいますが、
それは花形業務。本来は、地権者一人ひとりを説得して、用地を買収したり、不良債権化
した土地を取得して、売却するという再生事業など、地道でタフな仕事もたくさんあります。

2人の知り合いの方は、まさにこの説明をしてくれました。
企業ガイダンスでは、とかく耳障りの良いことしか話してくれません。しかし、厳しい現実を
知って、「それでも不動産業界を志望する」となれば、それはホンモノの動機。そのため、
2人から話を聞いて、就活生が何を感じ、どう思ったかが貴重な体験になります。

当日の夜、IT企業、生命保険会社、物流企業、製薬メーカー、就労支援企業に勤務する
知人、友人が集まってくれました。先ほどの就活生に加えて、4月から社会人となる2名の
学生を囲んでの“飲み会”をするためです。

飲み会の最後に私の友人の一人が学生に次のメッセージを送ってくれました。

「才能があっても努力しない人と才能がなくても努力し続ける人がいます。入社して、
何年かは差は認められませんが、40歳くらいから、どんどん差が広がってきます。」
「私は実力があるから、私はやればできるからといって、努力を先送りしている人は
最終的には、着実に努力する人に負けてしまいます。」
「ですから、入社したら、コツコツ仕事に取り組んでください。」

翌朝、学生に会ってくれたすべての方々にお礼のメールを打ちました。すると、

「私たち大人が、ありのままの事実を話すのは我々の役割だと思います。そして、
困難な
目に遭った時、私たち大人が若い人を支え、応援するのも我々の務めだと
感じています。いつでも
また、誘ってください。力になりますよ。」

という返信メールが帰ってきました。
改めて、皆さんに心から感謝する気持ちで一杯になりました。

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