続・就活指導体験記③(続き)

では、銀行志望の就活生にどこまでの話をするか。
今年、みずほフィナンシャルグループに内定したCさんを例に取り上げて
説明します。

銀行の役割は、「預金業務」「貸付業務」「為替業務」の3つに大別され
ますが、それを具体的に理解してもらいます。
まず、「預金業務」。低金利政策で、銀行に預けても大した利子はつきま
せん。仮に100万円を預けたら、1年後利息はいくらもらえるか質問します。
また、同じ100万円を持っていたら、定期預金の他に株式、国債、外国為替、
不動産投資、石油などの先物取引など、どんな運用先があって、いくら利息
がつくか比較させます。
次に「貸付業務」。低金利は借りる側からすれば幸いですが、銀行から借り
なくても、株式市場から直接、お金を調達すれば、金利はかかりません。
また、最近ではクラウドファンディングと言って、ある目的や志で立ち上げ
る事業や活動に共感した不特定多数の人からインターネット上で資金を募る
方法も広がっています。
そして、「為替業務」。これは銀行での振り込みや引き落としのことです。
ビットコインという仮想通貨を使えば、手数料がかからず、送金できる時代
が間もなく到来します。オンライン決済のペイパルが既に先行しています。

こういう話をしていくと、銀行の役割が低下していくことがわかってきます。
そのうえで、銀行の存在価値とは何かと考えさせるのです。

そこで、Cさんに「プロジェクトファイナンス」「ビジネスマッチング」
ついて、話を進めました。
個人や会社にお金を貸すのでなく、油・ガス・鉱物などの資源開発や鉄道・発
電所などのインフラ整備、石油化学などのプラント建設など、国内外で行われ
る大規模な事業を対象にお金を貸すのが「プロジェクトファイナンス」
一方、銀行の持つネットワークを活かして、取引先を紹介したり、つなげたり
することで、事業強化や販路の開拓を行うのが「ビジネスマッチング」

この2つが今後の銀行の役割だとCさんに説明したのです。

最後に実例を示して、リアルな感想を問いました。
紹介したのは池井戸潤さん(先日ブログで書き留めたばかりですが)の『陸王』
『アキラとあきら』。
そして、↓の日本一の吊り橋『三島スカイウォーク』

ここまで指導して、それでも「銀行に入って仕事をしたい」となればホンモノ。
Cさんがメガバンクから内定を得た理由は納得してもらえたでしょうか。

続・就活指導体験記③

過去、金融機関から内定をもらった学生は何十名もいます。
今年、指導した就活生は、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行
といったメガバンクや静岡銀行、スルガ銀行という地方銀行から内定を得
ました。また、静岡県内にある信用金庫から内定を頂戴した方もします。

しかし、国内の貸出先が伸び悩み、ゼロ金利政策が以前続く今日、銀行と
いえども安泰ではありません。収益が厳しくなり、合併・統合・リストラ
のニュースが尽きません。

メガバンク3行は、現在の窓口業務や審査業務をAI(人工知能)やロボットに
置き換えることで、今後5~10年間で3万2,500人分の業務量を減らすと発表
しました。
新潟県、三重県、長崎県などでは、地方銀行の統合が進められています。
ここ静岡県内でも、わずか2ヶ月のうちに12行あった信用金庫が10行に集約
されることが決まりました。

一方、新卒採用では、確実に採用数が抑制されています。↓を見てください。
減少傾向であることは間違いありません。
2016卒→2017卒→2018卒
◆三菱UFJ 1386人→1250人→1050人
◆みずほ  1920人→1880人→1365人
◆三井住友 1916人→1347人→800人

したがって、「それでも銀行に入りたい」と思える理由を考えることが必要
になります。(ジョブエールで指導している学生には、そんな話をしています)