「業界研究」の括り方

では、「業界研究」を行ううえで、業界をどのように括れば良いか?

ピンとこない学生には、『会社四季報業界地図』に記載された区分けを参考
にしてください。
これには、「自動車・機械」「エレクトロニクス」「情報通信・インターネ
ット」「資源・エネルギー・素材」「金融・法人サービス」「食品・農業」
「生活用品」「娯楽・エンタメ・メディア」「建設・不動産」「運輸・物流」
「流通・外食」「生活・公共サービス」と12この大分類に分けられ、その中
でさらに細かな分類に区別されています。

聞き慣れた商品名や用語で区分されているため、興味のある”キーワード”を
きっかけとした「業界研究」ができると思います。

私が言いたいのは、業界の括り方にはルールなどないことです。

例えば、楽天とはどういう業界でしょうか。インターネット業界、あるいは
IT業界と簡単に片づけられるでしょうか。
「楽天市場」と呼ばれるショッピングモールも手掛けていますし、「楽天ト
ラベル」という旅行サイトも展開しています。オンラインの金融業者の側面
もありますし、ECサイトの運営だってやっています。

つまり、楽天の事業内容は綺麗に線引きされるものではなく、現在、着手して
いる事業を将来に亘って、ずっとやっている保証もありません。

これは楽天に限った話ではありません。
富士フィルムは、フィルム事業の売上はもはや全体の1%に過ぎず、それに代
わって、化粧品や食品などのヘルスケア事業が事業の柱になっています。

経済は生き物です。そのため、顧客のニーズや市場の動向に合わせて、会社は
既存事業から撤退したり、新規事業に進出したりして、事業ポートフォリオを
組み替える必要があるのです。

したがって、「業界研究」では、業界の括り方を気にすることなどありません。
大切なのは、むしろ、ざっくりと分けられた業界を眺めてみて、もっと調べて
みたい業界を探してみることの方です。

 

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