感動とドラマのある就活 その1.

最近、就活に本気になれない学生さんが増えています。就活を「つまらない、面倒、怖い」と
嘆く方も多いようです。なぜでしょうか?
私はこうした学生さんの就活には【感動やドラマ】がないからだと考えています。

私は常々、就活は社会に出るための準備期間と言っています。働き続ける力を養う時期だと
話しています。そのため、就活の過程で、思いも寄らない出来事に遭遇したり、今までの自分
を変えるような体験をしたりすることがあるのです。

ジョブエールで指導した学生さんも今年、この【感動とドラマ】を味わった方が大勢いました。
何回かに分けて紹介していくことにします。

【再チャレンジで第一志望の信用金庫から内定を獲得したAさん】

Aさんは、某信用金庫の最終面接まで進んだものの不採用になりました。やや気が弱い性格が災いして、本番で思ったことが言えなかったことが敗因のようです。インターンシップ、店舗見学、OG訪問など、この信金に関する会社研究はしっかりしたものでしたので、私もショック
を受けました。
しかし、ある日、この信金から再選考の連絡がありました。最終面接で「うちで働きたい」との意志表示を訴えられなかったために、人事部長さんだけが採用を躊躇したとか。それ以外の採用担当者は、「採用したい」判断だったため、今度は、(普通に?)面接を受ければ、「内定を出します」ということです。

しかし、Aさんは、どこか釈然とせず、「ちゃんとした面接を受けさせてください」と申し出ました。photo[1]
そして、面接の場で人事部長さんにこう言ったそうです。
「人事部長さんが、『私を採用して良かった』と思っていただけるように仕事に励みますっ!!」

結果は勿論、内定でした。ただし、同じ内定でも、晴れ渡った気分での内定です。気持ちにけじめがついた面接です。
恐らく、人事部長さんも「これなら大丈夫」と思ってくれたことでしょう。

 

 

「成績表」を使った面接が行われています

かねてから言っていますが、最近の面接での質問は、ある程度想定できる内容であったり、
ゆる~い(生易しいと言う意味)ものであったりしています。
そのため、面接問答集なるマニュアル本を読んで、学習したり、学校でキャリアカウンセラー
や指導職員を相手に練習したりすれば、学生さんは、いざ本番に臨んでも、無難に受け答え
ができているようです。

これでは、採用担当者は学生の「素」や「本当の人物像」が見出せません。
そこで、企業が面接時に利用し始めているのが学校の『成績表』。
(今朝の朝日新聞36面にこの件の記事が掲載されています)DSCF4939[1]

面接官は、履修科目と成績が並んだ
『成績一覧表』を見ながら、次のような質問をします。

「何で、こんなにたくさんの単位を取得したの?」
「どうして、○○の科目を履修したの?」
「なぜ、○○の科目は『C(可)』だったの?」

これでは、学生は何を聞かれるか、どこを突っ込まれるかまったく見当がつきません。企業はそれが狙いなわけです。

「やりたくないことでも、やらなければならない時、どうしたか分かった」
「関心事、興味の対象が見えてきた」
「自分から積極的にアピールするのが苦手な学生もどういう人物か理解できた」

と採用担当者は『成績表』を用いれば、学生の「素」に迫ることができるからです。

普通、『成績表』は最終面接時、または内々定時に提出するもの。そのため、これまで、あまり合否の判断基準には使われてきませんでした。
しかし、私はこの傾向を大いに歓迎します。(私自身、成績はさっぱりでしたが。。。)