続・就活指導体験記④

本日より、趣向を変えて、留学生への指導体験記を書くことにします。
ジョブエールでは、毎年、10名ほどの外国人留学生の方々の指導を行って
います。
大学の講義で出会った留学生もいますし、教育課程編成委員を務めている
国際ことば学院学国語専門学校の留学生もいます。
また、彼ら・彼女らからの口コミで訪れる方もいます。

そもそも日本に外国人は何名くらいいると思いますか?
2015年末現在で、約223万人です。内訳は、永住者70万人、留学生24万人、
技能実習生19万人と続きます。(技能実習生つにいては、後日ブログで説明
します)

では、24万人の留学生の在学別の内訳をどうなっているのでしょうか。
最も多いのが大学で、約7万2千人、続いて、日本語教育機関の約6万8千人、
ことば学院のような専修学校は5万人と続いて、大学院の4万3千人を抑えて、
第3位となっています。

出身地域別留学生は、アジア地域からの留学生が93.0%と圧倒的に多くて、
欧州・北米地域からの留学生は4.6%にとどまっています。

ことば学院外国語専門学校も同様な傾向が見られます。
学生総数208人のうち、ベトナム70人、ミャンマー33人、ネパール31人と
この3ヶ国で半分を占めています。
それに続いて、インドネシア13人、スリランカと韓国がそれぞれ6人、バン
グラデシュ5人、中国と台湾が2人となっています。
1人ながらも、インド、フランスからやって来た留学生もいます。

東日本大震災の後は、にわかに日本で訪れる留学生の人数は減りましたが、
ここ数年再び増加の一途を辿っています。また、訪日外国人観光客の数は
2016年には2,403万人を超え、東京オリンピックの開催される2020年には
4,000万人の目標を掲げているほどです。

しかし、このように日本にやってくる留学生は増えていますが、いざ就職
となると未だに厳しい現実に直面しています。
その現実とは「7割の留学生が日本で就職を希望しているものの、3割程度
しか就職できていない」
のです。

それはなぜか。私が考える理由は2つあります。
1つは、日本の就活の枠組み(応募、選考)で、留学生を採用している企業が
実はまだ多くあるから。もう1つは、留学生を日本人と同じように(適切な
言い方をすれば、国籍は関係なく)処遇する社風や制度ができていないから。

明日から紹介する留学生は、そんな日本で、逞しく就活に取り組んだ結果、
望み通り、日本で就職した方もいれば、残念ながら日本で就職できず、母国
に帰って就職した方もいます。
また、日本で就職したのはいいけれど、日本の商慣習にうまく溶け込めなか
った方も取り上げます。

まだまだ留学生にとって、日本は働きやすい国ではなさそうです。

続・就活指導体験記④(続き 最終話)

東京都特別区と静岡県庁の2つしか受験せず、両方とも合格(入庁したのは
静岡県庁ですが)したdさんの最終話は、【個人面接指導】です。

ジョブエールで私から指導を受けた方のほとんどは、私の質問をハードだ
と感じているようです。

なぜなら、
「だから何なのですか」と明確且つ納得いく結論を要求する質問。
「なぜ、なぜ、なぜ」と深堀して、真因に辿り着かせる質問。
「先ほどの話と矛盾していませんか」「もっと関連つけて説明してもらえ
ませんか」と論理性を問う質問。
「こんな場合ではどうなるのですか」と視点を変えたり、状況を与えたり
する質問。
「本当にそう考えているのですか」とプレシャーをかける質問。
「ところで、・・・についてどう思いますか」と臨機応変さを見る質問。
など、バリエーションを変えた質問を次々に浴びせて、弱点や不得意な点
を克服していくからです。

このハードな指導に耐え抜いたdさんは、特別区の個人面接で、担当者から
次のことを言われたといいますから、私の指導がどれだけ厳しいモノか納得
できると思います。

面接官「あなたは、面接でよくこんなにも平然と話ができますね。これまで
緊張したり、あがったりはしたことはないのですか。」

また、dさんではありませんが、面接を終えた学生から良くこんな武勇伝(?)
も聞きます。
学生「あんなに準備していたというのに、あっさりした質問で拍子抜けしま
した。
もっといろいろ聞いてほしかったくらいです。」