2018年度 就活振り返り①

23日連続でブログを書き続けた”今年の就活生”の『内定指導体験記』ですが、
ひとまず終了して、(11月からは、”特筆すべき!!就活生の『内定指導体験記』
にタイトルを変えて、執筆していく予定です)、2018年度の就活事情を振り
返ってみたいと思います。

【やっぱり守られなかった就活解禁時期】
「 6月1日に選考開始(3月1日は応募開始)」と経団連が指針を決めて2年目。
1,300社を超える会員企業にアンケート調査をした結果、9割近くの企業が
「守らなかった」と回答したそうです。
自分で決めたルールを自らが破っているわけですから、まさにこのスケジ
ュールは有名無実化しています。

そもそも新卒一括採用を行っているのに無理があるわけで、通年採用に切
り替える企業も相次いでいます。
有名なところでは、ファーストリテイリングや楽天、ソフトバンク、ヤフー、
ディー・エヌ・エーなどが挙げられます。ベンチャー系(社長が創業者)で、
インターネット企業に多いのが特徴。

それだけではありません。
ネスレ日本は、何度でも応募、選考が受けられます。リクルートライフスタ
イルは、27歳まで受験可能で、通過すれば、2年間のうちに入社できる権利
を付与されます。バンダイは、大学、大学院、短大、専門学校などの学歴を
問いません。

グローバル化した社会や経済では、多様な価値観、異質な考え方が必要です。
日本人だけ、しかも大学生に限るという閉鎖的な採用から入社してくる人材
だけでは、なかなか太刀打ちすることができないからです。

実際、ジョブエールで指導した学生の中には、4月頃にヤフーから内定を得た
大学院生もいましたし、11月頃、リクルートライフスタイルの内定ももらった
留学生もいました。また、(結果は不採用でしたが)ネスレ日本に2度、チャレン
ジした学生もいました。

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内定指導体験記㉓

アルファベット「Aさん」から始まった内定指導体験記も「Zさん」で最後。
まだまだ書ききれない、紹介しきれない体験記がありますので、今後、登場
する人物の頭文字をどうするか考えたいと思います。

では、話は戻ってZさんについて。この方は、東海大学海洋学部の就活生。

ここは、日本で唯一「海」について、総合的に学べる大学。
海辺の文明や島の歴史を学ぶ学科もあれば、海洋を地球環境問題から研究する
学科もあります。はたまた、プランクトンや海藻の生態を学んだり、水産食品
の加工や保存を勉強する学科もあります。さらに、海洋観測船の船長や航海士、
水先人になる人材を育成したり、水族館の飼育員を目指せる学科も用意されて
います。

そのため、東海大学海洋学部には、全国から学生が集ってきます。

私は毎年、この学部で『模擬面接講座』を講義していますので、それがもとで、
何名か指導に訪れます。
これまで、北海道出身の女性は、キャンパスのある清水市に本社を置く鈴与に、
埼玉県出身の女性は、焼津市の某水産加工会社に、神奈川県出身の男性は、某
漁業協同組合にそれぞれ就職していきました。

本日登場するZさんの志望する業界はマリコン。
マリコンとは、ゼネコンの中でも、特に海洋関係の土木工事、港湾施設の
建築工事を請け負う建設会社を言い、護岸、防波堤、橋梁、海底トンネル
などを造ります。
ゼネコンが、土木・建築を総合的に請負うゼネラル・コントラクターの略
であるのに対して、マリコンとは、マリーン・コントラクターの略称。
特殊な技術や工法が求められるため、業界全体で27社の会社しかありません。
大手も五洋建設、東亜建設工業、東洋建設、若築建設、りんかい日産建設、
不動テトラ、大本組など、6社に限られています。

Zさんは、大学では、模型を使って、津波による護岸や河川堤防にどのような
被害を及ぼすか計測・分析する研究をしています。
そのため、当初からマリコン志望。大手6社に応募しましたが、残念なことに
不採用となり、準大手のマリコンから内定をもらいました。

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