内定指導体験記⑲

Tさんは、アルバイト→契約社員と段階を経て、正社員を目指して就活して
きた方。
働く意識、スキルにおいて、正直なところ、自信がなかったために、遠回り
のようですが、堅実な進路をアドバスして、実行してきました。
そのTさんが、この度、某社から正社員として採用されました。

文科省の学校基本調査によると、2015年3月に大学を卒業した564,035人の
進路は次のようになっています。

  • 進学者・・・68,958人(12.2%)
  • 正社員で就職した者・・・388,611人(68.9%)
  • 正社員以外で就職した者・・・21,148人(3.7%)
  • 一時的な仕事に就いた者・・・11,730人(2.1%)
  • 進学も就職もしていない者・・・58,102人(10.3%)

「正社員以外」とは、契約社員や派遣社員を言い、「一時的な仕事」とは、
アルバイトを指します。
ここ2年ほど、好景気や人手不足が幸いして、正社員で就職する者の割合は
上昇していますが、意思の有無は問わず、大学を卒業しても、全員が正社員
になれるとは限らないのです。

ムリをして正社員になったところで、心構えや基本的なビジネスマナーが
十分備わっていないために、早々と退職してしまうことを考えれば、私は、
非正規社員からスタートしても構いませんとアドバイスしています。

このTさんもそうでした。ただし、正社員に就くための「課題」を出して、
その達成度を随時、確認しました。
例えば、「フルタイムで働いても集中力が途切れないか」「職場の社員は
勿論、お客様にもきちんと挨拶ができるようになったか」という基本的な
ことから、「時間通りに仕事が終えるようになったか」「自分から工夫や
改善に取り組むようになったか」など、仕事そのもののを成果を出す行動
もチェックします。

Tさんは、私が提示したこれらの「課題」を一つ一つ着実に達成していきま
した。それもTさんの歩みでです。

これまでの指導の経験上、こういうステップを踏んで、正社員として採用
された方は、そうでない人より、むしろ、長続きします。また、頑張りも
利きます。
なぜなら、やっとのことで、正社員になれたのですから、少々のことでは
逃げない、弱音を吐かなくなるからです。

151001

内定指導体験記⑭

ジョブエールで指導しているのは、新卒だけではありません。
入社して3年程度で退職した、もしくは退職しようとする第二新卒の方も
対象としています。

本年度も何名かこうした方の転職が決まりました。
転職理由は人それぞれ。
「こんなはずじゃなかったと」と理想と現実のギャップに後悔する方。
厳しいノルマやサービス残業を強いられて、心身とも疲弊した方。
親の介護や結婚など、家庭の事情が発生した方。
会社の経営が立ちいかず、将来に不安を感じた方など。

私も偉そうには言えませんが、何度も転職を繰り返してきた一人です。
キャリアアップという格好いい理由だけではありませんでした。上記の
ように、親の介護、結婚、リストラなど、思いもよらない理由で退職を
余儀なくされたケースもありました。

さて、転職者への指導において、新卒の場合と一番違う点は、「自分に
合う会社を慎重に選択してもらうこと」。
新卒は、「会社説明会の雰囲気が和やかだった」「先輩社員が優しそう
だった」とイメージで会社の良し悪しを決める傾向にあります。
そのため、採用担当者は耳障りの良いことしか言わなかったり、モデル
給与や生涯賃金、有給休暇や育児休暇の取得率など、細かな労働条件の
実態について、説明せずに済ませたりするところがあります。

転職者はそんなわけにはいきません。
既に職務経験がありますので、一つ一つの条件を確認することが大切に
なります。
今年、指導した第二新卒の方々にも、
「直近3ヶ年の賞与の支給実績を聞くように」「住宅手当や家族手当の
支給要件を確認するように」「30歳のモデル給与、課長に昇進した際の
年収はどれくらいか」など、具体的な質問事項を洗い出します。

勿論、仕事についてもそうです。
「勤務場所(工場や作業場、オフィスなど)を自分の目で見てくるように」
「求められる(期待される)スキルと自分の現状を照らし合わせるように」
「帝国データバンクなどの信用情報を確認するように」
などと、こちらもかなり具体的な指示を出します。

これらの情報を総合したうえで、今、転職することが良いか、転職先と
して相応しいかどうか一緒に判断していきます。