何を「自己分析」するか?

「自己分析」はエントリーシートや面接で自分のアピールできる”売り”
を探し出すことが目的ではなく、自分を理解すれば、他者も理解して、
受け入れることができるようになり、その結果、自分と異なるタイプ
のいる職場でも適応できるようになることが目的だとお話ししました。

では、自分の何を分析すれば良いか?

会社選びの軸を分析しなさいなんてことは言いません。そんなものは、
就活しながら見えてくるものですし、途中でブレることだってあり得
るからです。
就活をやりながら、固めて行けば十分だと考えてください。

それよりもこの時期、最も分析してほしいことは、「仕事をするうえで、
大切にしている価値観」です。
わかりやすく言えば、次の4つです。

①何のため、誰のために仕事をするか。
②仕事をして何を手に入れたいか。
③仕事を通じて、どんな人間になりたいか。
④仕事をすることで、社会や人にどういう影響を与えたいか。

難しく悩むことはありません。
例えば、①で「家族のため」でもOKですし、②で「年収1,000万円」でも
構いません。③で「ズバリ社長」、④で「格差のない社会を実現したい」
であっても十分です。

なぜなら、これを”きっかけ”として、それに見合う(叶う)ような業界や会社、
仕事を探せば良いからです。

先ほどの①で「家族のため」なら、休日をしっかりとれる会社を見つける。
②の「年収1,000万円」なら、高額年収が見込める会社。③なら若くして
チャンスを与えてくれる会社、あるいは、ロールモデルとなる社長がいる
ようなベンチャー企業。④なら格差をなくすためには、どんな事業や商品
があれば可能か考えれば良いからです。

こういうことを自問自答したり、誰か(仕事経験が豊富な人)に話をしたり、
友人と議論したりしていけば、価値観が明らかになってきて、それが次第
に就活をするうえでの”こだわり”となってきます。

「自己分析」のやり方

では、「自己分析」ばどうやってやれば良いか?

大学の「自己分析」に関するキャリア教育で、こんな講義を受けましたと
学生から聞いたことがあります。どれも笑うに笑えない内容ばかりです。

1つは、「〇〇〇が好きです」と書かれた用紙を渡されて、思いつくまま、
できる限り、たくさん「〇〇〇」に語句を入れるというもの。
1つは、幼稚園の頃に遡って、夢中になった出来事を書き出すというもの。
1つは、「あなたに向いている職業は」と適職診断の結果に基づくもの。

なぜ、これらの「自己分析」が笑うに笑えない、つまり、ばかばかしいが
由々しき事態だと言った理由は、「自己分析」をこれで良いと考えている
大学の思慮の浅はかさとそれを当たり前として講義に臨んでいる就活生の
深刻さが相まみえているからです。

繰り返し言いますが、「自己分析」とは仕事に取り組むうえで、大切にする
価値観を明らかにすること。
いくら「〇〇〇が好きです」だと書き並べても、価値観に辿り着くとは思え
ません。自我の目覚めていない幼稚園の頃を思い出して、夢中になったこと
を思い巡らしても、仕事に関係するとは考えられません。また、適職診断は
あくまで本人の傾向を客観的に理解することに目的があり、それがすべてだ
とするのは、将来の可能性や選択肢を摘むことにことになります。

そのため、2つの「自己分析」のやり方をおススメします。

1つは、『自分のことを深堀していく自己分析』。これまでに頑張ったことを
何でも構わないので、その体験について、次の点について、掘り下げて考える
やり方です。
・なぜその活動に取り組んだのか?(始めた動機)
・なぜその活動を頑張れたのか?(モチベーションの理由)
・その活動の中で、どんな問題・課題に取り組んだのか?(課題・問題)
・その課題・問題に対して、あなたはどのような対処をしたのか?(対処法)
・対処した結果はどうだったか?(結果)
・その結果から、何を学んだのか?どんな影響を受けたのか?(成長・学び)
・その活動の中で、辛い壁にぶつかったか?その壁を乗り越えられたか?なぜ
乗り越えられたのか?(挫折と継続できた理由)

もう1つは、『未来の履歴書を作成する自己分析』
10年後、20年後のなりたい自分をイメージして、その時の履歴書を作ってみる
やり方です。なりたい自分を実現するには、自分の強みと要改善点を踏まえて、
今後、何をすれば良いかプランニングしなければなりません。
過去の自分は変えられません。そのため、これまでの自分を後悔するのは意味
がないことです。未来の自分(自分を取り巻く環境も含めて)を想像し、それに
向けて、自身を変えていく方がずっと建設的だからです。