内定指導体験記⑰

突然ですが、パラリーガルという職業を耳にしたことはあるでしょうか。
アメリカで誕生した職種で、弁護士の補助的業務に携わる仕事を言います。

本日紹介するのは、パラリーガルに転職したRさんと現在、パラリーガル
の職に就きながら、転職活動を続けているSさん。

Rさんの前職は、某クリニックの医師クラーク。診断書の作成やカルテの
代行入力、処方箋の作成、検査予約など、医師の指示にしたがって、業務
を代行する仕事をしていました。
Rさんは、補助的業務に長けた人。したがって、補助する対象が医師から
弁護士に代わっただけと考えれば、法律知識はなくても、採用されるかも
知れないと期待を持ち、私は「ある作戦」を敢行しました。
それは、書類の提出前に応募する弁護士事務所を見学する許可を取り付け、
そこで、責任者にRさんを引き合わせ、好印象を持ってもらうこと。

この作戦は、見事に成功して、内定を獲得できました。
後で責任者から聞いた話ですが、「正直、書類審査や筆記試験の出来は
イマイチだったが、面接の出来は抜群に良かった」。

一方、Sさんは、某法科大学院を卒業した方。弁護士を目指し、司法試験
の勉強をしていましたが、残念ながら合格できず、大手事務所のパラリー
ガルとして、就職しました。
転職を希望するのは、弁護士の下でこきつかわれ、それでいて労働条件や
給与などの待遇に良くないから。

なぜ、二人を並べて紹介したかというと、日本でのパラリーガルの地位は、
それほど高くない事実を説明したいからです。
アメリカでは、パラリーガルは、法曹協会が認定するリーガルプロフェッ
ション(法律専門家)として認知されており、大学が養成課程を用意する
ほど、メジャーな職業になっています。しかし、日本では資格すらありま
せん。そのため、弁護士のアシスタントに過ぎない面があります。

そのため、未経験者でも経験者(司法試験の勉強に取り組んできたという
意味で)でも、どちらも採用されるというわけです。

弁護士や裁判官ら法曹人口を大幅に増やす狙いで、国が設立の旗を振った
法科大学院は、入学者の定員不足で募集停止や廃校が後を絶ちません。
ピーク時には、74校あったのが、今では半数に減ったほどです。

弁護士ですら就職が大変な世の中というのに、弁護士の資格を持たない
“経験者”は、よほどのスキルや技能がなければ、好条件のパラリーガルの
求人で内定45927_photo1を獲得するのは至難となっています。

そのため、Sさんは、仕事の幅を広げるため、
行政書士や司法書士、社会保険労務士などの資格を取得して、転職活動に臨もうとしています。

内定指導体験記⑯

10今日紹介するPさんは、ハウジングアドバイザーの職種で、某住宅メーカーの
内定を得た学生。
↓の動画を見てください。これは、「他社と差が出る業界・会社研究」として、
10分程度で編集した就活講義です。
この中で、学生二人を連れて某住宅展示場に行くシーンがあります。Pさんは
この動画で登場するわけではありませんが、同じ展示場にお連れしました。

 

 

 

住宅メーカーを一気にしかも、比較しながら研究しようとすれば、住宅展示場
を見学するのが最も手っ取り早い方法です。
なぜなら、ほとんどすべての会社のモデルルームが立ち並んでいて、そこには
家屋を案内してくれる社員が待機しているからです。

Pさんも志望とする企業をいつくか見て回りました。実際、ハウジングアドバ
イザーから、家づくりの特徴、建築構造の説明、インテリアのコーディネート
の仕方など、具体的な仕事内容について、話を聞くことができました。

就活生と身分を明かしたら、お客様の案内だけでなく、CADを使った図面や
プレゼン用の資料を作成したり、税金対策や資金繰りのアドバイスも行うと
聞きました。さらに、モデルルームに足を運んでもらうためのイベント企画
も担当することが分かりました。

そのため、接客は勿論のこと、住宅に関する幅広い知識とお客様が希望する
住宅空間を聞き出すというコミュニケーション能力が要求されることが理解
できたようです。

Pさんは、この見学を契機にハウジングアドバイザーになりたいとの気持ち
が一層強くなりました。
併せて、それぞれの住宅メーカーの違いも区別できるようになりました。

ここまで準備をしていれば、面接では、それこそ”他者と差が出る”受け答え
ができるようになるのは当然のことです。