内定指導体験記⑭

Uさんの就活は2年越しでした。というのも、半年間、カナダに留学した
ため、大学を休学していたからです。

留学理由がユニーク。1年目は少しだけ就活をしていましたが、エントリ
ーシートを書いたり、面接を受けたりするうちに「こんなくだらないこと
をして就活するのは馬鹿らしい」との想いが募る反面、「サークル活動は
やってないし、勉強もろくにしてない。アルバイト経験もないし、毎日が
ゲーム三昧。これじゃ就活どころか、世の中に出てまともに働けないかも」
そのため、「留学して、考えの甘い自分を見つめ直してきます。」

それから10ヶ月余が経過して、Uさんは再びジョブエールに指導にやって
きました。Uさん曰く、
「留学先には、国籍は勿論、年齢、キャリアなど、実に様々な人に出会い
ました。私のような学生はむしろ少数派でした。会社から長期間の休暇を
許された30代のアメリカ人。一度は就職したものの、一念発起して、学び
直す28歳のフランス人。卒業後、インターンシップに行きながら、勉強を
続けるカナダ人などなど。」
そのため、
「何で(日本人の)Uさんは、大学を卒業してすぐ就職するの?」
「新卒一括採用って何なの?」「大学には20代の学生しかいないの?」など、
日本にいると疑問すら起きない質問を次々に浴びせらたとのこと。

この経験が凝り固まったUさんの考えを解きほぐしてくれたようです。
「面接官に媚びを打ったり、愛想を降り舞うことなどしなくていいんだ」
「そんなことより、自分の思っていることははっきり伝えよう」

こう考えたUさんは、やがてJR東海のグループ会社から内定を得ました。
この会社は駅構内の清掃やビルのメンテナンスなどの現業部門も抱えて
いるため、面接官から「大丈夫?」とさんざん確認されたそうですが、
「現場を知らなければ仕事はできません」「いつもスーツを着たいとは思
いません」「一目にはつかない、裏方の仕事もあるが、安全・安心を提供
する仕事とはそういう性質のものだと思います」
と答えたとのこと。

1年前のUさんを知っているだけに、とても同じ人物が発したとは思えない
堂々とした立派な回答です。
留学を経験したことで、外から日本を眺め、当たり前のことが実はそうでは
なかったと気づけたため、そして、多様な人々と交流したことで、いろいろ
な考えや価値観を受け入れることができるようになったためだと感じました。

Uさんですが、入社後2年間は、現場の仕事を携わり、その後、総務、経理、
安全衛生などの管理部門に配属されるとのこと。
「これなら大丈夫!!」と私が太鼓判を押せます。

内定指導体験記⑬

突然ですが、全国の国公立大学の中で薬学部は何校あるか知っていますか?
答えは17校。すべての国公立大学に薬学部があると限りません。
そのうち、公立は、静岡県立大学、名古屋市立大学、岐阜薬科大学の3校です。

以前のブログに書きましたが、静岡県にあるジョブエールには、静岡県立大学
薬学部の学生が毎年、何名か指導を受けにやって来ます。

これまでに、広島、熊本、滋賀県出身の学生がいました。今回紹介する方は、
岡山県出身のQさん。

不運にも医学部受験に失敗して、薬学部に転向したと聞きましたが、却って、
薬学部で勉強したいことがはっきりしたとのこと。
それは、新薬・創薬の研究開発。そのため、情熱と向上心を持って研究開発
に取り組める環境が整った企業に就職したいとの”選社軸”を固めました。

そこで、Qさんは、ある『指標』にこだわり、それを”選社軸”の根拠として、
会社を選び、応募しました。そして、その中から、内定を獲得したのです。

その『指標』とは、「研究開発要員の比率」と「研究開発費にあてる比率」。
内定を得た某社は、実に全社員の44%の社員が研究開発に取り組んでいます。
売上高の27%を研究開発費に注ぎ込んでいます。その割に、財務の安定度・
健全度を表す「自己資本比率」は87%と抜群です。

私は、(特に上場企業)企業選びの際、「IR資料を読みなさい」「決算資料に
目を通しなさい」と言っています。
なぜなら、IR資料とは、株主に対して、今後の事業の重点・成長戦略を説明
するものであり、決算資料とは、企業の業績を示す通信簿だからです。

ですから、これらの資料を眺めれば、数字やデータによって、会社の実態を
客観的に理解できますし、図や表といったビジュアルによって、会社の強み
やポジショニングなど、将来像をイメージすることができます。

ジョブエールでは、ここまで要求した指導を行う学生もいます。

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